宅建試験の権利関係(民法)が苦手な人は3手順勉強法で簡単に得意になれる

宅建試験に出題される分野のうち、「権利関係(民法)」を苦手とする人の効果的な勉強法を紹介します。次のような人の役に立つ情報ですので、当てはまるという方は参考にしてください。

●民法の勉強の方法がわからない

●どこから手をつけていいのかわからない

●点数に結び付く勉強法を教えてほしい

●嫌いな民法を勉強するのが苦痛だ

●効率よく民法を克服したい

 

 

 

1.権利関係(民法)が苦手になる原因

宅建の中でも民法以外の問題は、例えば、「新築住宅の瑕疵担保責任は何年?→10年」、「契約を行う案内所の開設は何日前までに届け出ればいい?→業務開始の10日前まで」、というように、質問と答えがスパッとワンセットになっているものが多くを占めます。このような分野の場合は、アンチョコを作って暗記するなりすればよく、勉強の対策も比較的立てやすいと言えます。

それに対して、権利関係(民法)は、例えば「詐欺」や「強迫」というように、言葉は1つの事象を表すものであっても、そこにまた別の条件がプラスされることによって答えが変わります。第三者が善意であった場合、知っていた場合、知らなかった場合、当人に過失がある場合、過失がない場合…など、どのような問題にどのような条件が加わるかによって答えが異なるために、頭の中で問題が複雑化し、混乱します。

 

そのようなことから、「権利関係は苦手!」「どう勉強したらいいかわからない」と悩む人が多くいます。つまり「権利関係が難しい」のではなく、「権利関係への向き合い方が間違っている」ために、この分野の勉強を難しく感じてしまっているのです。

2.権利関係(民法)との向き合い方が最初から間違っている

もともと暗記が得意な人は、宅建の勉強も、テキストを読んで暗記をして乗り切ろうとするでしょう。4分野のうち他の3分野はそれでなんとかなっても、権利関係は、思うような結果が出ないという人も多いのではないでしょうか。そのような場合には、他の3分野と同じ感覚でやっているその勉強法を、見直す必要があります。

権利関係は、暗記分野として処理するものではありません。意味を考え、答えを導き出すものでなければなりません。それからもう一つ、さきほど他の3分野は暗記でなんとかなると言いましたが、それは丸暗記を推奨するという意味ではありません。他の3分野も、理解ありきで勉強すれば暗記量を大幅に減らせます。ですから暗記が苦手な人も、適切な勉強法をすれば宅建は簡単に合格できます。

 

3.アガサクリスティか江戸川乱歩か

そもそも、権利関係(民法)とはどんなものでしょうか。

人と人との間でトラブルが起こって裁判になった場合に、裁判所では、民法に従って結論を導き出していきます。

思い出してください。ミステリー小説を読んだり、テレビのサスペンス劇場を観ている時には、誰でも、心の中で次のようなことを考えているはずです。登場人物の誰が悪で誰が善か。そう思う理由は何か。自分ならどうすか、どうでなければならないか。それはもうさまざまな想像を働かせながら観たり読んだりしているはずです。そして物語の中に、意外性を発見したり、溜飲が下がったり、反対に怒りが沸き上がったりして、入り込んでしまいますよね。

権利関係とは、そのような感情のもつれを一本の筋道に照らして通すための法律です。ですからこれを勉強するときには、「暗記」ではなく「自分のもつ思考力」を使うのが最も簡単で効果的です。

4.1から10まで覚える必要なんてない

権利関係は、人々の権利が絡み合うことの法律です。つまり、何が正しく、何が正しくないか、善悪を判断する基準の法律です。

そして、善悪の判断基準ならあなた自身も持っています。あなた独自の判断基準を!

宅建の勉強分野には4つの分野があります。宅建が初めてという方は、残る3つの分野は1から覚える必要がありますが、唯一、1から覚える必要がないのが、「権利関係」です。

 

 

5.「あなたはもう知っている」

北斗の拳の有名なセリフに「おまえはもう死んでいる」というものがあります。やっつけた悪者に主人公が言うセリフ。そのセリフをもじって言うなら、権利関係の基礎を「あなたはもう知っている」のです。

1から10まで覚えようとしなくても、あなたはもうすでに、生まれてから今日までに培ってきた善悪の基礎を持っています。その基礎をテコに勉強の効率を上げれば簡単に攻略できます。

そのように素晴らしい基礎をすでにもっているのに、暗記としてイチから覚えようとすれば、かえって頭の中が混乱します。権利関係は、「暗記」ではなく「理解」に軸足を置いた勉強をすれば、「簡単」に、そして「面白さ」を感じながら進めることができます。

6.権利関係の効果的な勉強手順はコレ!

あなたはすでにある程度の答えを持っています。しかし現時点が、宅建の勉強をスタートしたばかりという初心者の方は、まず民法の見慣れない言葉使いに目を慣らす意味で、テキストの権利関係のページを一度流し読みしてみましょう。すでに勉強が進んでいて権利関係につまづいているという方は、民法独特の言葉には慣れていると思いますので、この手順をはぶきます。そして次の手順からやってみましょう。

1.過去問題集もしくは一問一答問題集の権利関係を解いてみる

宅建の「過去問題集」でも「一問一答問題集」でもかまいませんので、権利関係の部分を解いてみましょう。この時点でのコツは、「あなたの中にある善悪の基準」に従って解くということです。宅建で出題される民法の問題は、単純な問題ばかりではなく、複数の人や複数の事柄が絡み合った複雑なものもあります。その場合でも、まずはあなたの基準に照らして答えてみましょう。「あなたならその権利の絡み合いをどういうふうにとらえ、どのように決着を付けたいか」と考えて答えを出します。

※過去問題集と一問一答問題集のどちらがいいのでしょうか?

本文から少し寄り道しますが、過去問と一問一答のどっちがいいの?と問われると、この場合、一問一答をおすすめします。権利関係を鍛えたい、苦手分野を鍛えたいという目的で使うなら、断然一問一答問題集です。一問一答問題集は、各分野をさらに細かい項目ごとに分けて編集しまとめています。ですから、理解できていない項目を短時間で徹底的に鍛えることができます。両方を使い比べてみればはっきりとその効率の良さがわかると思います。ですが、過去問題集には一問一答では得られない利点があります。本番に向けた実力チェックと時間配分の練習用に使える点です。できれば両方を入手して本番前の練習用には過去問題集を、苦手項目のあぶり出しと訓練には一問一答問題集をというように使い分けをするのが理想的です。

 

 

2.答え合わせをする

1.のコツに従って問題を解いたら、次に答え合わせをします。1.で答えたのが、「あなたの基準に従って答えたもの」であるならば、正解していた問題は次に出題されても正解することができますので、このうえさらに勉強する必要はありません。勉強が必要なのは、誤答した問題に関してです。

3.間違った箇所の「考え方の修正」をする

誤答した問題を振り返り、まず、

①なぜそう答えたのかをもう一度自分に問い、その理由を確認します。

そして次に、

②その問題の答えと、その解説をチェックします。なぜその答えになるのかを見ます。その結果、あなたは「なるほど!」と納得するかも知れませんし、「それでも納得できない」と思うかも知れません。あるいは、「それならもっとこうしたらいいのに…」とか、「じゃあ、こんな場合はどうなるんだろう…」と興味が広がる場合もあるでしょう。

この②の過程は一見効率が悪そうにみえますが、そんなことはありません。このやり方で権利関係をやっていくと、民法の分野でアンチョコが必要な箇所はノート1ページぶんにもならない程度でおさまります。アンチョコに書くのは、10年、20年などの数字的な暗記対象のみになるので、「これだけでいいの?」とあっけにとられるほどに少なくすみます。

1.~3.の手順を一問一答問題集を使って繰り返し、権利関係における「あなたの基準を、国の基準に近づけて」いきます。繰り返すと言っても、誤答した問題だけを繰り返していくので、繰り返すたびに問題数も必要な時間も減少していくはずです。

 

他の3分野は、理解を深めるテキスト読みをしたあと、アンチョコを作ります。その後は隙間時間にアンチョコを覚えるという方法で簡単に攻略できます。残る権利関係は、これまで述べたような方法で簡単に攻略できます。4つの分野のやり方をすべて同じようにやろうとすると、難易度が上がってしまいます。権利関係には権利関係に合った勉強のしかたをしましょう。

さいごに

宅建試験は、多くの人が、「権利関係(民法)は難しいから捨てなさい」とか「捨てる」と言っています。そして1点2点が足りなくて涙したり、宅建の資格取得そのものを諦めてしまう人が多くいます。合格点が35点ほどを推移している宅建試験において、権利関係は14問出題されます。全50問のうち14問を権利関係が占めるのです。

権利関係を捨ててヤマカンで答えても4択だから3~4問は正解できるだろう…と考えての「捨て作戦」でありましょうけれども、そうだとしても、ほかの3分野36問のうち32問を正解しなければならないとすれば、本試験が緊張することを考慮すれば、本番前には3分野とも満点を取れていなければなりません。

ここまで述べてきたとおり、権利関係は適切な勉強法をすればとても簡単な分野です。特に暗記が苦手な人にはむしろ他の分野よりも取りやすいとさえ言える分野です。あなたの持つ善悪の基準を利用して、民法を面白く勉強してみませんか?